日本最大の半島である紀伊半島。和歌山県はその西側に位置し、古くから木の国と謳われたほど、豊かな自然を育んできました。
温暖多雨な気象条件のもと、紀伊山脈の深い山塊には、うっそうとした森が広がり、雨水が谷を刻みます。水がつくる大河は外界へとつづき、山と海をつなぎます。
陽光の煌めく大海原も、変化に富んだ美しい海岸線も、和歌山が誇る自然遺産。
循環する大自然は、太古の昔から現代にいたるまで、変わることがありません。
その中で私たちは、移り変わる季節に合わせて呼吸し、厳しい暑さや寒さにも柔軟に適応して、生活を支えてきました。
自然と共に生き、風土や気候に合わせて生み出されてきたもの。
それが、暮らしの道具。土からは器をつくり、木からは紙をつくりました。
一つ一つに、快適な暮らしと気持ちに潤いを与える、人々の知恵が詰め込まれています。
あくまで実用性を重視し、緻密な手仕事によってつくられる工芸品の数々。
それらは長い歴史の中で、多くの人の目や手に触れ、使いやすさに完成度を磨いています。
工芸品を知るということは、その土地を知り、住む人の生活を知るということ。
暮らしの原点がここにあります。